

SNSが普及する以前のお話、インターネットを通じて意見を交換する場として「匿名掲示板」を利用することが広く認知されていました。匿名掲示板とは、その名の通り実名を公表すること無く自由に意見や感想を述べることが出来るインターネット上に設置された電子掲示板です。
有名なところでは「5ch」「したらば掲示板」「ホスラブ掲示板」などの電子掲示板が設けられており、その規模は現在もなお、最大で月間数十億PV(Page Views)を誇るなど根強く支持されている文化になります。しかし、その内容は決して前向きな意見交換をするだけの場所に留まりません。
つまり匿名という特性を活かし、悪意のある第三者が特定の誰かを攻撃することに用いられる可能性もあるのです。実際にそういった誹謗中傷の被害は枚挙にいとまがない程に散見されており、少し前には警察を動員する事件に発展することもあったほどで、現在もなお社会問題とされているのです。
「5ch(5ch.net)」とは、インターネット上における最大級にも匹敵する巨大な電子掲示板の名称です。元を辿れば、ひろゆき(西村博之)氏によって立ち上げられた“2ちゃんねる(2ch.net)”という、インターネットサービス史に大きな歴史を刻む匿名掲示板が5ch(5ch.net)創設のきっかけとなっています。
5ch(5ch.net)に限らず、こういったインターネット上で運用される匿名掲示板には決まって誹謗中傷やプライバシーが尊重されない書き込みが一定数存在します。実際2ちゃんねる(2ch.net)時代には名誉毀損を理由として掲示板の管理人や、悪質な書き込みを行った個人・法人に対して裁判を起こす事例も起こりました。
一部とはいえ、現在も他人を傷つける目的で行われる書き込みが見受けられます。そのため、管理権限が移り5ch(5ch.net)となってからは誹謗中傷やプライバシーの尊重に対して慎重な対応を取ることが進められており、独自の判断基準による対応が確立されています。
必要によってIPアドレスの開示などの対応をとって厳重に対処される運びとなっているのです。
「したらば掲示板」とは“ああしたらば”や、“こうしたらば”という日本語の表現から引用した名付けがされている掲示板であり、第三者の間で助言やアドバイスを交わすことが目的とされた匿名掲示板です。その機能の多くは2ちゃんねるにインスパイアされたものが見受けられ、従来の2ちゃんねるの機能に加え、強制sage機能、JBBSタグといった独自の機能で幅広いユーザーに支持されています。
したらば掲示板では一部の誹謗中傷、出会い目的の書き込みが深刻な問題となっています。そのため、運営側からも適切な対処が実行されているのです。その内容は、主にサイトの方針と警視庁のガイドラインに従って不適切な掲載が削除されるように、パトロールが強化されているというものになります。
「ホスラブ(ホストラブ)」は、いわゆる夜の仕事と言われている業種に関する情報を交換するための匿名掲示板です。初期の頃はホストのみが活用する狭いコミュニティとして活動していましたが、現在ではキャバクラや、その店のお客さんなど、以前と比べると幾分多くの人が幅広く活用している掲示板になります。
ホスラブを巡る事件で最も印象的なのは、殺害をほのめかす書き込みにより実際に逮捕に至った事件になります。ホストクラブという世界は一般的な会社における社会性より狭く深い存在とされているため、匿名掲示板でも良い意味での匿名性が上手く発揮されずにこのような事件に至るケースが見受けられたのです。
匿名掲示板には、私達が気軽に視聴している一般的なレビューサイトや口コミのような場所に書かれる意見より更に深い思考を持って書き出された意見が見受けられることもあります。
しかしながら、一部に見受けられる誹謗中傷によって二度とインターネットの深部に触れたくなくなるような傷を負う危険性を秘めているのも事実です。十分なネットリテラシーを持って利用することが必要とされるのではないでしょうか。
「誹謗中傷は怖いけど、どこに書かれているのかが分からない」
という方は、まずは専門会社にネット誹謗中傷調査を依頼するという方法もオススメです。
インターネットと共に生きるためにも、リスクを最大限に抑える・対処法を予め知る等の策を講じましょう。