発信者情報開示請求の要件は容易ではなく、手続きにコツが要ります。

発信者情報開示請求は難しい

 

発信者情報開示請求の書面

 

「発信者情報開示請求」とは、インターネット上で個人や企業に対する誹謗中傷が行われた場合に活用できる手段です。誹謗中傷した加害者の住所や氏名などの個人情報を特定するために、プロバイダなどの事業者に対して情報の開示を請求できます。

 

SNSやブログのコメント欄で受けた誹謗中傷に対して効果的な手段ですが、実行するには難易度が高く、加害者に情報を請求するまでには高いハードルを越えなければいけません。
その難易度は情報開示に必要な6つの要件を明らかにすれば、ご理解いただけます。

 

情報が開示される6つの要件

①特定電気通信により情報が流通する

「特定電気通信による情報の流通」を簡単にいうと、SNSやネット掲示板への書き込みを指します。例えばTwitterで知らないアカウントから攻撃的な内容のメッセージが来たり、ブログのコメントで根も葉もない暴言を書き込まれたりしていれば、条件に当てはまります。

②権利が侵害されたとする本人が開示請求を行う

発信者情報開示請求は、誹謗中傷を受けた本人しか行えない手続きです。「☓☓さんが誹謗中傷を受けていたので情報を公開して欲しい!」という形での発信者情報開示請求は行えません。

③誰から見ても権利の侵害が明確である

誹謗中傷に明らかな権利の侵害がなければ、発信者情報開示請求の要件を満たしません。例えば「☓☓さんは詐欺師!」という言葉を投げかけられたとして、それが根も葉もない暴言ではなく事実だった場合は誹謗中傷にならないということです。

④情報開示を要求する理由に正当性がある

情報開示を求める人(被害者)には開示を求める正当な事由が必要です。「知らない人に理不尽な言葉を投げかけられたから弱みを握ってやりたい」というように、私的制裁を目的とした請求は行えません。

⑤情報開示を請求する相手は「開示関係役務提供者」

情報の開示は「掲示板やSNSの運営者」「プロバイダ(インターネット回線の事業者)」に要求する必要がある、ということです。発信者情報開示請求は直接加害者に行う手続きではありません。

⑥開示を要求する情報は「発信者情報」に限る

開示を請求できる情報は「氏名」「住所」「メールアドレス」など、総務省令第五十七号で定められた項目に限ります。総務省令に定められていない加害者の情報は要求できません。

 

成功させるためにはコツがある

要件が多く、難易度の高い「発信者情報開示請求」を成功させるためにはコツがあります。

 

それは「とにかく早く手続きを行う」こと。

 

とくに誹謗中傷を受けた証拠となる書き込みを迅速かつ正確に集められれば、手続きの成功率がグンと上がります。傷が癒えないうちに適切な対応を行うのは精神面でハードルが高いですが、いざというときのために覚えておきましょう。

 

決して諦める必要はない

発信者情報開示請求は大変な手続きですが、無事に請求が通れば十分に効果を発揮する手続きです。
誹謗中傷に悩まされて泣き寝入りする必要はありません。我慢の限界に達する前に、まずは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。